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=そう、愛をささやいて=
「てめーの言葉は、軽いんだよ。」
いつだって愛しの相棒―次元大介はこう返す。
このルパン様が、たぁ~っぷりの愛情を込めて繰り出す言葉に、突き放すようなその返答。
「ちょっと、冷たいんじゃないのぉ?」
ひどーい☆とわざと傷ついたような顔を作りくねくねと身体をくねらせて泣くふりをすれば、それを見て嫌そうに顔をしかめる。さらに、「アホか」という冷めた一言も忘れない。
でもそれが、ただの照れ隠しということもわかっているし、否、ただ鵜呑みにしたくないだけというのも理解している。このガンマンはひどく、自分への愛に臆病だ。
いつ自分が捨てられるかもしれない、不要な存在になってしまうかもしれない・・・
そんな自虐的な考えを持っている。
そんなことは、あり得ないってのに。
「なぁ、お前はどうしたら一体、俺の言葉を信じてくれるんだろうな?」
結構信じてもらないってのも、寂しいんだけっども?
普段はふざけたやり取りだけで終わるのだが、一瞬の間に思考した内容に少し腹を立てる。
この俺様が感情を持て余すなど、そうあることではない。
それだけで、十分“トクベツ”だ。それをお前は、まったく分かっちゃくれねぇよな。
「おい、ルパン・・・どうしたってんだ?」
ふざけた表情から一転して、真剣な顔で見つめてくる俺に疑問を感じてか、次元が怪訝そうに言葉をかけてくる。
「どうもしてないさ。ただ、どうしたら俺様の気持ち、お前が理解してくれるかと思って。」
片頬を釣り上げ、にやりと笑みを作ってやる。いつもの仕草ではあるが、眼だけは真剣なまま。その違和感を感じとってか、次元は、少し後ずさる。
「ふざけんじゃねぇ。いい加減にしろよ。」
「うん?ふざけてなんてないよ。だって、次元ちゃんってば全然俺様の愛をわかってくれないじゃない。それで、愛の言葉を“軽い”って言うんなら、ちゃぁんと、真剣に伝えようかと思って。」
まぁ、いつでも俺は真剣なんだけどね。
とても信じられない、というような表情をして次元は無言で睨んでくる。
日頃の行い?そんなの知らないね。
「好きだよ、次元。心から。俺にとって愛しいと思えるのは、お前だけ。」
低くした声。真剣な顔。ゆっくりと近づいて、そっと次元の細腰を引き寄せて。
「・・・ッ。」
お前はそれだけで動けない。いつものような反論もできない。
「 アイシテル。 」
直接、耳元で囁く。
次元の揺れる瞳に、わななく唇に、怯えるようにびくりと震える肢体に。
あぁ、やっぱり狂おしいほど愛しくて。
「なーぁんちゃって☆信じてくれたぁ?俺様の想いvv」
わざとおどけて見せる。まだ、お前の逃げ道を作ってあげる。
「・・・!?こっこの馬鹿野郎!!テメ―の一体どこを信じろって言うんだ!離しやがれッ!!!////」
ハッと気付いた次元が俺を突き飛ばして、罵倒される。赤くなった顔は帽子によって隠される。
そのまま逃げるように立ち去る後ろ姿に、ひっそりとした一言を。
「待ってやるさ。もう少しだけ、な。」
どこにも逃げられないよう、雁字搦(がんじがら)めになるまで。
=Fin=
くっついてからのラブラブな感じもイイですが、くっつく前の曖昧な関係性も大好きです!!!/////
次元はツンデレですよね!きりっ
すっごく好きなくせに、ルパンを信じられない次元。というか、これ以上溺れてしまうことが怖くて、わざと一定の距離を置くような臆病な次元がひどく可愛いと思います。きりきりっ
愛してるってのに!きゅん