[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
=好きだからこそ。=
月の綺麗な夜。部屋に差し込む光はキラキラと美しく輝いている。
けれど、それとは反して、俺の心はどす黒いものが渦巻いているように不快で。
1人ぼっちの室内で、ソファーに寝転んでただただ時が過ぎるのを待っているだけ。ルパンは今、出掛けている…最愛の相手、峰不二子に会うと言ってーーーー
俺は、アイツのことが好きなんだとわかっている。最初は否定したし、認めたくなかった。
だが共にする時間が長くなる程に深まるこの想いに、否応なしに認めるしかなかったんだ。
だいたい、例えそれを認めたとして、実際変わることは何もない。
告白?そんなの、できるはずないだろ?
だってルパンは女好きだし、ましてや俺を恋愛の対象として見るだなんてこと、有り得ないから。
告白なんてしようものなら、この関係とも幕引き。相棒として隣にいることもできなくなるくらいなら、俺はこの恋を諦めるしかないんだ。
「なぁ、ルパン?」
「あれ、気付いてた?」
?!
つい独白めいた考えに浸っていたものだから、人の気配に気付かず。ましてや、口に出してしまうなんて、なんとも恥ずかしい。
しかし呟きは、声かけだと思ってくれたらしく、ルパンも怪しんでいないようで。
「あぁ…思ったより早かったな、ルパン。」
驚きをボルサリーノで隠し、平然を装い会話を続ける。
さぁ、またこの胸の重みと戦い、俺は演技をしないといけないのだ。何でもない、ただの相棒としての、演技を。
「そっれがさ~不二子ちゃんひどいんだぜ?!お宝だけ盗ったら帰っちまうんでやんの!」
「ふん、そんなのいつものことじゃねーか。」
(いつもいつも、どれだけ騙されてもお前は行ってしまう)
「うっさい!そこがまた可愛いんだから良いの!!」
「なぁ~にが可愛い、だ。あんな強欲女のどこが良いんだか。」
(どうせ俺は、可愛くもなんともない。従順に従おうが、敵いもしない。)
「次元ちゃんにはわからないだろうけど!」
「わかりたくもないね。」
(お前も、わかってくれないじゃねーか。)
「………次元?」
言葉とは裏腹に心が悲鳴をあげるのを、いつも通りひた隠しにしていたはずのに。ルパンの声が心配そうなモノへと変わり、どうしたのかと疑問に思う。
「なんだ?」
「顔色……悪いぜ。それに……」
今宵が眩しい程の月夜ということを失念していた。普段は表情をボルサリーノで隠していたし、今夜もそのつもりだった。
それが、まさか月明かりに照らされて見られていたとは想いもせず。しまった、と思うが時はすでに遅くて
「……それに?」
ルパンの切った言葉の続きを促す。正直、聞きたくはないが。
「泣いてる、のか?」
どくり、と心臓が脈打って。泣いているつもりはないし、実際俺の目からは涙も流れていない。それなのに、それなのにお前はどうして、泣いていると思うんだ?
止めてくれ、変なことを言うのは。今の演技を疑われたら、俺はどうしたら良いのかわからなくなる。何も言わず、何も考えず、ただこのまま騙されていてくれ。
そうじゃないと、困るんだ。騙されていてくれないと、俺はお前の側にいられないのだから。
もうしばらく、俺を感情のない人形でいさせて。
「俺は、泣いてなんかないぜ?」
(泣くのは、1人の時だけ)
「なら何で、そんなツラそうな顔してんだ?」
言葉は優しいが、詰問するような…強い力を持ったルパンの声に逃げたくなる。
「……。」
(お前が好きなんだ。)
「次元?黙ってちゃわからねーだろ?」
「………。」
(お前はいつも残酷だ。嫌いになりたいのに、一緒にいればいる程惹きつけられる。)
「おい!何とか言えって……!!」
「……………。」
(ツラくないわけないじゃねーか!俺はお前が好きなのに、お前はいつも他の女の所に行っちまう!)
「じげ………………ん………ッ!?」
キライ……お前を嫌いになれないお前から離れられない、情けない俺なんて!ルパンに嫌われてしまえばイイ!!
頭が混乱したように色んな言葉が反響して、ワケがわからなくなる。そして、気付いた時にはヒドく驚いたお前の顔が目の前にあって。
嗚呼、お前にキスしちまったんだな、とどこか他人ごとのように想う。
「悪ぃな……ルパン。」
「……?!次元……お前……。」
ルパンから離れようと身を引くが、それをルパンによって止められる。暖かくて大きな手が俺の頬を撫でるように触れて、滴をすくいとられる。
「………やっぱり、泣いてんじゃねぇか………。」
そう言って、顔をしかめるお前。泣くだなんて、今日限りだから。もうお前の前から消えてやるから。
「ごめ……ん……ッ……」
最後のルパンの顔がこんなだなんて嫌だから。溢れ出した涙のせいで、うまく舌が回らなくて、でもお前に笑って欲しくて、俺は必死に謝る。
「…ッ……ごめん、ルパン……ごめんな……もう、……ないから………。」
もう俺はこの苦しみに絶えきれそうもないから。お前から逃れたいんだ。
「手……離して、ルパン…、」
先程から黙って俺の謝罪を聞いているルパンは、俺の両腕を掴んでいて。逃れたくて体を引いても、びくともしないその力に更に焦燥が募る。
「ルパン!……頼むから、離してくれ……ッ!!」
(お前という存在から逃げさせて!!)
そう言葉を発しようとした瞬間に、口の動きを止められる。一瞬何が起こったかわからなくて、焦点の合わない程近づいたお前の目を見つめようとするが、その両目は閉じられていて。
暖かいお前の唇が俺の唇と重なって、長い腕は俺の腰に回っていて……ルパンからキスされていることに気づく。
「………っ!んゃ………ぁ……」
その行為から逃れようと抵抗するも、力強い腕は絡みついて取れない。加えて、口を開いた隙に、ルパンの熱い舌が滑り込んでくる。
這う舌は、好きなように俺の腔内を蠢いて、だんだんと力が抜ける。気持ちが良くて、どうにかなりそうだ
「っ………はっ……はぁ……」
やっとお前の唇が離れたかと思えば、もう俺の脳内はスパークしてて何も考えられない。
何でこんなことを?聞きたくても酸素を求めて喘ぐ口からは何もお前に伝えられなくて。
ただ見つめるしかできない。
「次元……俺から離れようなんて、許さないぜ?」
ルパンの言葉に、耳を疑う。
「………ッな、に…………?」
どういうこと?
「お前はさ、すぐに自分で完結しちゃって何も言わないからよ。さすがの俺様でも掴みきれないんだもの……今度ばっかは驚いたぜ。」
「……ごめ、」
「じゃなくってさ、謝らなくてイイから。お前の気持ち知れて、安心したし。」
「??」
「俺様なんてお前と出会ってからず~~~っと恋い焦がれてたってのに、次元ったらものすんごくストイックなんだもの!俺様我慢するの、大変だったんだぜ?」
お前は全然わかってくれないしさぁ…とぶつぶつ文句を言うルパンを、未だ正常に働かない頭ではただ見つめるしかなくって。
間抜けな顔をして固まっている俺に、お前はまたチュッとキスをしかけてくる。
そのリップノイズにハッと覚醒した俺は、頬がぶわわっと熱を持つのを自覚する。きっと顔なんて一瞬で真っ赤に染まったことだろう。
「………っ?!ばっ…ばかやろっ…、てめぇ……なっ何を!!/////」
恥ずかしくてたまらず、怒鳴ろうとするがルパンはニヤニヤとだらしのない表情をしていて。
「え~~何って、最初にキスしてきたのは次元ちゃんじゃなぁい?積極的すぎて俺様びっくりしちゃったvv」
「~~~~~~~っ/////」
自分のしたことを思い返して、もう二の句も継げない。
「次元ちゃんはさ、本当にズルいんだよなぁ。変に逃げ腰なんだから。」
「…………?」
「俺様のことを好きなら、ちゃぁんと好きって言ってよ。逃げないで。な?」
さっきまでのおどけた様子とは一転した真剣なルパンの表情に、全身がギシリと緊張する。おまけに触れられているところは甘く痺れて動くこともできない。
「次元、言って?」
優しい口調なのに、逆らうことのできないルパンの言葉に、俺は逃れられないことを再確認する。
「お前が好きだ、ルパン。」
そう告げた時に見せたルパンの表情はすごく嬉しそうで、自分の心まで救われるようだった。
「これからもずっと一緒だぜ、次元?」
「良いのか?」
「当然。」
そう言い合って、今度はお互いが吸い寄せられるようにキスをした。
本日4回目の、一番幸せなキス。
~Fin~
好きで好きで仕方なくって、嫌われたくないからこそお互いすれ違って、気づいてみたらもう二人とも有り得ない程ラブラブだってんですから勝手にやってろ☆と言いたくなりますよね!(爽)
というかエロまで書こうと思いきや、次元たん視点では書きづらいので断念。結局ラブオチかい!と。だってル次の愛はもう本当、突っ込みどころ満載な程ですから仕方ないと思うん。(●´∀`)つ≡≡≡愛愛愛)Д`)グシャ
ではでは、読んでくださってありがとうございました^^vvv
<追記>
ル次を考えていると、感極まって涙出そうになるんですけど・・・・!
自分の気持ち悪さにどうしましょうと言った感じです!もう一体どうしたらいいんですかルパン様っ//////(聞くな)
助けてええええええぇっ\(;゜ロ\)(/ロ゜;)/