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「帰ったぜ、次元。」
「ん、おかえり・・・・。」
いつも通り、ルパンが次の仕事の情報収集をして帰宅する。
次元が行く場合もあるが、大抵はルパン自身が動き、情報を取った上で計画を練っていくことが多かった。
そして、ルパンは仕事のためには余念がなく。どんなことだってやってのける男で。
直接目的地に忍びこんでその目で内部を見てきたり、情報のために危険な場所に単体潜り込んだり。
それに、情報を得るためにと必要な女を抱くこともある。
ルパン自身はプレイボーイを自負する程で、女を誘惑して情報を得て。ついでに気持ちのイイ想いもできることは当然問題ではない。
けれど、それを好ましく想わない人間もいて。
「・・・・ルパン、風呂に入って来いよ。」
「え?何で。まだイイよやらなきゃいけないことあるし。」
「ダメだ。湯は入れてあるから、行ってきな。」
ルパンのシャツからする香水の匂いとか。首筋に見える赤い印とか。
ルパンから感じる女の痕跡が、次元に嫉妬の気持ちをくすぶらせる。
男に興味のないルパンには告げるはずもないが、次元はルパンが好きだった。
相棒としてではなく、それが愛とか恋とかそんな感情であることも理解していて。
知られれば、ルパンは次元に嫌悪に満ちた視線を向けることだろう。それを想像するだけで恐ろしくて、次元はただただ自分の想いをひた隠しにしていた。
「・・・・何、次元不機嫌ね?」
「別に。早くしろよ、湯が冷めるぜ?」
ソファに埋めていた身体を起こし、ゆっくりとキッチンへ向かいながら
早く女の匂いを消して欲しくて、次元は目も合わせず風呂を促す。
ルパンが風呂からあがる頃には、温かい食事でも出してやろうと次元は考えていた。
けれど。
「・・・・おい?」
背を向けて歩き出した次元の歩が、止められる。
次元の腕はルパンによって掴まれており、離そうと軽く振ってもびくともしない。
その突然の行動に、次元は眉をひそめる。
「ルパン、離し・・・」
「次元、こっち見ろよ。」
「・・・・・何で。」
「お前、不機嫌な時わかりやすすぎな。いっつも目、逸らすから。」
普段なら、不機嫌な次元をルパンは咎めることもなく。
次元が言って欲しくない言葉などわかっているだろうに、わざとらしくそれを突きつけられる。
「なんっ・・・・」
驚く次元の腕を引き、身体を反転させてルパンは次元の顔を覗き込んだ。
ルパンに未だ掴まれているせいで、捻りあげられた腕に軽く痛みも走る。
「ルパンっ・・・!何しやがる!!」
「だって、お前が人の目見ないから悪いんでしょ?」
「何、勝手なことを・・・良いから離せよ!!」
後ろ手に捻られたままでは、ルパンとあまりに近くて。
今は出来るだけ遠くに居たいと言うのに、密着した体勢に嫌悪感すら募る。
女を匂わせるルパンは、嫌だ。
理不尽な扱いと、嫉妬にまみれた感情で次元はルパンをきつく睨みつけた。
「おい!ルパン・・・・ッ」
「なぁに?」
視線を合わせると、ルパンの瞳は真っ黒で。その奥底には怒りにも似た光が見えた。
「何で・・・お前怒ってんだよ・・・。」
「次元ちゃんが、勝手だからでしょ?」
「何が・・・。」
「俺から逃げるから。」
「逃げてねぇよ別に!」
「じゃぁちゃんと言ってよ。」
うまくかみ合わない会話に、次元は訳も分からず困惑する。
勝手に不機嫌になっていたことは、悪いかもしれない。
けれど、普段からそっけない態度はよくある話しで。
むしろ次元自身、恋愛感情がバレないように、注意してとっていた行動でもあった。
どうして突然?
「・・・何を言えって言うんだよ・・・・」
「ね、俺のこと嫌いなの?」
「・・・何、言ってやがる・・・・。」
まるで核心をつかれそうな問いに、次元はギクリと身体を強張らせる。
嫌いなのではない。むしろその逆で。
けれどこのままではまずいと、脳が警告を鳴らす。ぐっと腕に力をこめて、ルパンの手から逃れようとしてもギリりと軋むだけで拘束を解くことはできない。
「・・・ッ・・・・痛ェよ・・・・、ルパン・・・。」
ここで怒って冷静さを欠いたところで、このルパンから逃れることは不可能だと理解していて。
ひとつ深呼吸をしてから、ルパンにそっと言葉をかける。
「俺が何かしたなら謝るから・・・・・」
とにかく、今はルパンから離れたくてたまらないず、再びルパンから視線を逸らす。
首筋に散る赤い痕も、視界になど入れたくない。今回の女は、随分と積極的だったのだろう。
嫌だ嫌だ
いやだ。
「最近、いっつもソレ・・・・・。」
目も合わせず、ただ嫌悪感の募る心を落ちつけようとしていた次元にルパンはため息をつく。
どこか拗ねたような、その口調に「?」と次元も疑問を感じて。
「何が・・・。」
「次元ってさ・・・・」
「何だよ・・・・・」
「・・・・いんや。もうイイ。」
風呂入ってくる。そう告げながら、ルパンは興味をなくしたようにするりと次元から身体を離す。
掴まれた腕が解放されて、次元もほっとするがいつもと様子の違うルパンが気になるのも確かで。
「・・・・・・おい?」
戸惑いながらも、次元はルパンを呼びとめた。
どうしてこんなことをしたのか、ルパンは何を言いたかったのか、次元は頭でぐるぐると考える。
「何。」
今度はルパンが背を向けたまま、視線すら寄越さない。
不機嫌を物語るその背中に、次元はそのまま言葉を続けた。
「悪、かったな・・・・別にお前に怒ってたわけじゃねぇから・・・・。」
なんとか取り繕おうとした言葉は、ルパンによって一蹴される。
「わかってる。でも嫉妬って醜いよね。」
「・・・なっ・・・?!」
驚きに目を見開き、真っ白にスパークした頭では何も二の句が継げず。
今、ルパンが言った言葉がただ次元の頭の中を反響しガンガンと痛みを走らせる。
「何?驚いちゃった?」
くすり、と皮肉を含ませた笑いを洩らしながらルパンは「バレてないと思ってる次元に、俺はびっくりだけどね。」と言葉を続けた。
「なん・・・で・・・・・ッ」
背中を伝う冷や汗に、震える指先に。
次元は、地獄の底へでも突き落とされたよな錯覚に陥っていた。
身体は硬直して動かず、何と言っていいのかも全く分からない。
「なんで?何でって何が?次元ちゃんが、俺を好きなこと何で知ってるのかって?さっきも言ったデショ、お前はわかりやすいの。それとも、嫉妬してるのがばれてたことに驚いてんの?いっつもいっつも女の匂いさせてる時に不機嫌になってちゃ、バレない方がおかしいって。」
くるりを身体を回し、離れた距離を再びゆっくりと縮めてくるルパンに、次元はじりじりと恐怖を感じていた。
逃げたくても逃げることもできず、動かない身体を叱咤してずるずると後退さるだけ。
とん、とぶつかる壁と目の前に迫ったルパンに挟まれて逃げ場を失う。
顔の横に置かれた手に、前後左右全ての道を閉ざされて。
どくりどくりと脈打つ心臓が、次元にはやけにうるさく聞こえていた。
「ね、次元・・・・・どうする?」
「・・・・どう・・・・?」
ルパンが言いたいことがわからず、ただルパンの言葉を反復する。
「お前の気持ち、バレてたんだぜ?俺に。ね、どうするの・・・お前はさ。」
にやにやとした笑みを作り、答えを促すルパンはまるで悪魔のようで。
驚愕に歪む次元の表情を、ただ愉しんでいるかのようだった。
「どけよ・・・・」
「やだよ。」
「ルパン!」
「何。」
「・・・・・・ッ・・・・お前こそ・・・どうしたいんだよ・・・・・・!!」
「は?」
ルパンの態度に、ざわりと心が荒れるのを感じる。
好きで好きでたまらないのに。
迷惑にならないようにと秘めてきたのに。
嫌われないようにと頑張っていたのに。
ツラいだけの感情も、ただただ隠してきたというのに。
「~~~ッテメェの態度は何なんだよ!」
「次元・・・・?」
悪魔のような男。人が隠していた感情を全て赤裸々に剥き出しにして。
それを、まるで楽しそうに追い詰めて。
「くっそ・・・・ッ!!むかつくんだよテメェは!!!!何だよその言い方は!!そりゃ男に嫉妬されちゃ気持ち悪いよな?!醜いだろうよ!!!でもなぁ!!俺だってお前のこと考えて、苦しい想いしながら堪えてきてんだよっ!!!別に良いだろうが勝手に想っとくくらい!!!何が気にくわねぇっていうんだよ!!!そんなに悪いのか?!俺が・・・・ッ・・・・・~~~~俺がお前を好きじゃ悪いって言うのかよっ!!!!??」
悔しくて悔しくて。溜まっていた想いが栓を切ったように溢れ出ていく。
叫ぶようにルパンに告げた言葉は、最後の方は涙で震えていた。
「・・・・次元・・・・」
「・・・・っく・・・ばかやろうッ・・・・てめェなんて・・・・なぁ・・・ッ!!!」
ぽろぽろと勝手に流れ落ちていく滴がうっとうしくて、次元は無造作に腕で拭う。
「ばか、赤くなっちまう。」
「・・・・ッ・・・・・・・え?」
ぐっと腕が抑え込まれたかと思えば、熱い感触が次元の頬に触れる。
ぺろりと涙をルパンに舐められ、その行動を理解した瞬間に次元の全身が沸騰した。
「~~~~~~~っ!?ばっ!?ぁうっ?!!!てっめ・・・・ッ?!!!////////////////」
ルパンに舐められた頬を手で押さえ、声にならない悲鳴を上げる。
顔を真っ赤にして酸素を求める金魚のように口をぱくぱくとさせる次元に、ルパンはくすりと笑い。
「俺も好き。次元。」
「・・・・・え?」
優しく告げられる言葉に、次元は涙で潤みきった瞳を更に大きくさせた。
「お前、絶対言わないんだもん・・・俺もいい加減焦れちゃった。しかも逆にどんどん逃げて遠く行っちゃうし。俺を避けるし。すぐ不機嫌になるし。」
「っ・・・・だって・・・・。」
「ん、わかってる。お前、ばかだから。」
「んなっ?!」
「でも、そんなとこも好き。」
「っ?!////////」
くすくすと笑ってルパンはちゅっちゅっと赤くなった顔中にキスを贈った。
されるがままの次元は、ぷしゅーと頭から湯気でも出そうな程に全身を真っ赤にさせてただ硬直していた。
今回のことも、ルパンが素直ではない次元の本音を聞き出すためにわざととった行動だと理解して。
「今度から、俺様に隠し事しようとなんてするなよ?」
「・・・・ん。」
優しく微笑むルパンと初めてのキスをして。この悪魔に敵うはずがないのだと、次元は身を委ねることを心に決めるのだった。
Fin
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ん?眠い。←
寝ようと思ったのですけど、なんか、ちょっと、書こうと思って・・・・?眠い・・・(もう頭真っ白)
どんな話しだったか多分起きたら覚えてない気がします。笑
すみません・・・・ぱちぱち&コメントありがとうございましたっ・・・・お返事も今日中に!
遅くなったお詫びと、来訪者様方にと思ってちょっと更新してみました。
ではでは、おやすみなさーい(ノ´д`ノ。・ゎーぃ・。\´д`\)
特にル←次がスキィ\(∴\)~♪
あぁ次元ちゃん.もっとルパン様をもとめて~~!!