俺のオオカミさん。
ある日の宵闇。
奥まった森の中のアジトへ、久方ぶりに足を運ぶ。
そこで1日夜を過ごそうかと考えていた矢先に、外からガサガサと音が聞こえ、俺は音の方向へと進む。
警察であれば逃げなければならないし、暗殺者であれば倒さねばならない。
その緊迫した空気が俺は好きだから、臨戦態勢に入りながらもその先にある出来事に高揚していた。
ガチャリと拳銃を鳴らし、発砲準備も整う。
ガサ、ガサ・・・・と音は変わらず響き、あまりにも無防備な物音に違和感を抱く。
何にしろ自分を狙ってきた敵であれば、そのような迂闊なことはしないだろう。
「・・・・ふゥ。」
きっとただの獣か何か。そんな喪失感と虚無感が湧き、頭をひとかきして、その現場を見やる。
・・・・見えたのは、
確かに獣、ではあるが。
それは綺麗な毛並みをキラキラ輝かせ、吸い込まれるような美しく紅い瞳を持った狼1匹。
俺の存在に気付いたソイツの眉間にはしわが寄り、ひどく嫌悪感に満ち満ちた表情で、ぎらぎらと睨みつけてくる。
「俺様、カワイ子ちゃんに会って早々こ~んなに嫌がられる覚え、ないんだけっども・・・。」
いささかショックを受けつつ、それでもそこにある存在をじっくりと眺める。
「怪我、してんの?」
どうやら、体中に傷が走り、血が滴っているとことを見ると結構な深手に見え、傷口から察して人間の仕業。
罠にかかったか、狩りのあったか・・・・・どの道、この嫌悪感に溢れた形相は人間全体に対してのモノだとわかる。
「こっちおいで。治療してやるよ。」
優しく声をかけながらそっと近寄るが、その行動を見て狼は一瞬びくりと身体をわななかせ、後ずさろうとする。しかしそのまま地に足をふんばってとどまる姿勢が、この獣のプライドの高さをうかがわせる。
逃げるのは、意に反する、といったところか。
その様子が微笑ましくて、ふっと笑いがこぼれる。勿論俺のその笑いが気に食わないらしく、相手はむっと訝しがる。
「どうしたら信じてくれんのかねー?」
そう呟くと、狼がやっと口を開き「人間なんざ、信用できるか・・・・」と低く唸る。
相当な目にあってきたようで、その深い傷はきっと身体だけでなく心にも達しているのだろうとうかがい知る。
「そう言ってもねー・・・その傷じゃ、ツライっしょ?」
「・・・・んなことねー。」
「でも俺様がツライのよ。」
「・・・?」
「こんっな、カワイ子ちゃんが怪我だらけなの知っちゃって、そのままだなんて!ツラくてたまんない!」
「っ?!ばっばかやろう!!さっきから何言ってやがる/////頭おかしいのかテメ‐!!」
身体全体で悲しみを表現して見せる。変人扱いだなんて、ひどい。
「ね。俺様のためにも、治療させてちょうだい?」
にっこりとほほ笑むと、狼は息を飲んで、口を閉ざす。どうやら思案してるようで。
でも次に口を開けた答えは
「だ・・・・ダメだ!」
で。強い否定・・・・・考えた結果が、それ?
むゥ、と唇を尖らせて不服そうな顔をしてやると、どーも調子が狂う!と思われたようで、狼は先程のプライドはどこへやら一目散に森の中へ身体を翻した。
とーぜん。
「逃がさないよ?」
次の瞬間には狼は俺の腕の中。がっちりホールド。しっかり確保。
「っ・・・!?はっ離せ!!」
勿論暴れる狼さん。耳元で、「治療させてくれたら、ね。」と吹き込むとびくびくと震える可愛い身体。
「わかった!わかったから・・・っ!!!!//////」
至極慌てた様子の了承を聴く。最初からそうしなさいっての。
そのまま逃げられないように抱え上げて、アジトへ連行。
治療中は俺様、これでも真剣で。その様子を見て、目の前の獣は大人しく・・・してくれてたらいいのに「もうイイ!」「自分でする!」「いい加減にしろ!」やらうるさい限りで。
まぁ最後にはぐったりとしているとことを見ると、どうも本気で憔悴していたらしい。ホント意地っ張り。
下だけ履いた状態では寒いだろうと、そっと自分のシャツをかけてやると、ハッと気付いた狼は俺様の手から勢いよく遠ざかる。
でもね、その顔は朱に染まってて、力いっぱい握るそのシャツは俺のモノだし、どう見たって可愛くて可愛くて。
「や~っぱ、逃がしてやんない♪」
そう一人つぶやく。
これが、俺とオオカミさんの出逢い。
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あれ?いや小説書く気はなかったのですが・・・・・orz
前々から妄想していた狼さんを描いてたら、手が止まりませんでした\(゜ロ\)(/ロ゜)/
いやーもう、素直じゃない次元たんが大好きです!基本ファーコン設定のル次も大好きですから!!
ルパン様がどう手名付けていくか、どう次元たんが堕ちていくかを妄想すると激しく悶えます!!!//////
ちなみに、一番上の絵は・・・・・小説の最後の部分です←
ではでは!!また!!!!!(●´∀`)つ≡≡≡愛愛愛)Д`)グシャ
読んでくださってありがとうございました!!!
[7回]
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