真っ暗な部屋に、窓から月明かりが射し込む。
満月の今日は特別美しく輝いていて、まるで自分の心まで映し出されそうで落ち着かない。
ベッドに横になったのは一体いつのことだったか・・・。右へ左へと身体を転がし、祈るように強く瞼を閉じ合わせても意識は現実のまま。
夢の中へはいざなってもらえず、知らず知らず苛立ちがつのった。
「眠れねぇ・・・か。」
どうにか眠ってしまおうと苦心するのにも、いい加減疲れてきた。諦めにも似た言葉を吐息に乗せ、短い髪にくしゃりと指を滑らせる。
認めたくない。
でも、そうなのだと理解している。
「俺は、未だに血がダメなんだな・・・。」
人殺しはしない。そう義賊のようなこと言うのは、そんな正義や誠実さなどではない。
ただ、怖いのだ。
赤いアカイ血が・・・流れるその美しさが。
「ルパン様ともあろう者が、情けねぇ・・・・っ」
噛み締めるように吐き捨てた言葉。
嘲笑にも似た笑いを口に乗せ、のそりと身体を起こした。
カラカラに渇いた喉が水を欲する。
そしてツキリと痛むのは、頭?それとも、心?
わかない自問に、頭を軽く降りながらリビングへ足を運んだ。もう夜も十分過ぎるほど深まり、誰もが寝静まっていると思って。
がちゃり
開いた扉。電気もついていないそのリビングで、1人の男が月明かりに浮かび上がっていた。ソファーに項垂れるようにしてゆっくりと酒の入ったグラスを傾けるのは、相棒である次元大介。
開いた扉にゆっくりと視線を寄越し、ルパンを認識した後に黙ってキッチンへと歩き出した。
「ほら、水。」
次元の動きを目で追うだけだったルパンへ、冷たい水が差し出される。
「・・・・・・何、してんの?」
受け取ったグラスをてで握りしめながら、次元へ問う。
まるで・・・・まるで自分を待っていたかのようなこの態度に、心がざわりと波立つ。
月明かりのように・・・この黒い瞳は一体何を見透かしているのか。
「何って・・・ただ酒を飲んでただけだぜ?」
素っ気なく告げる次元の瞳は、力強く揺るがない。これ以上の詮索は無用だと言外に告げ、そしてそれは、ルパン自身に何も言わなくてかまわないからと優しく包み込むようなぬくもりがあって。
「次元・・・・・」
ぐっと息を飲むルパンの頭に、そっと伸ばされる指。
くしゃくしゃと無言で撫でて、次元はにっこりと微笑みを浮かべた。
「大丈夫だから。」
そう一言だけ呟いた次元を、ルパンはきつく抱き締める。
温もりに包まれて、ルパンは穏やかな眠気を感じるのだった。
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ん?
ただ人殺しを普段しないルパン様が誤って人を殺しちゃって、そんな日は落ち着かなくて眠れなくて、でもそれを次元ちゃんはわかってて慰めて・・・というのを表したったのですけど!笑
わかりづらくてすみませんあとAndroid本当うちづらい(;´д`)ゞ!
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