いつもお世話になっております、ちるちる様への捧げものです!
ル次喧嘩です・・!喧嘩話し大好き!(〃゚∇゚〃) ←
ではでは、↓から
[4回]
いつも通りのシチュエーション。
いつも通りのセリフ。
いつも通りの言い合い。
不二子がルパンを誘惑して、それにころっと騙されて、結局お宝を持ち逃げされるだなんて数え切れないくらい。
それを俺が怒って、ルパンは反発して、明らからにルパンが悪いはずでも結局は俺が折れたりして。
お決まりの流れ。
だから、別に今回だっていつも通りにやっていれば良かったんだ。
でも、いつもいつも全く何もかも同じことだなんてないから。
その時は、俺はタバコが切れてて少し不機嫌だったし。
ルパンも、何だかほんの少しだけ、いつもより元気がなかったり。
その場所だって、アジトとかじゃなくって人通りの多い街中だったりして。
つまり、結局いつもみたいな言い合いにはならなかったんだ。
言い合いにならなきゃ、謝るも折れるもなくって。
ほんの少しの違いが、どんどん、大きくなっていくのがわかるんだ。
心が、ただただもやもやして。わだかまりができて。お互い何となく目を逸らして。
壊したくても、壊しようのない見えない壁が、俺たちの間に出来たみたいだった。
=Cold-Quarrel=
「飯・・・・」
「もう食べた。」
ルパンがのっそりと起きてきて、不機嫌そうにご飯を催促する。
でも俺は勿論こんな昼前に起きてこられてももう食事だって、片づけだって済ませてる。
だからそっけなく、そう答えるしかない。
「・・・ふーん・・・・」
普段なら、「ならさっさと作ってよ!俺ってばもうお腹ぺこぺこっ!このままだと俺様死んじまうぜ次元ちゃん助けてー?!」だなんて、偉そうに・でも子供のように・・・・俺にそう言って駄々をこねるから。俺だって、仕方がねぇなぁって思いながらもついつい甘やかしちまうんだ。
でも、今のルパンは頭をがりりと掻いた後、ツマらなさそうに俺の目の前から去る。そのままキッチンに向かって、何やらごそごそやってるから、きっと自分で作るんだろう。
そうなんだ、ルパンは、何だかんだ言っても完璧な男だから。結局は、俺がいなくても何でも出来る。
「今日は、どこか行くのか?」
自分で作った遅すぎる朝食を摂るルパンに、何ともなしに声をかける。
「別に・・・・・。」
その一言で、この話しも終わり。ルパンが応えないのであれば、俺はこれ以上追及しないし、だから着いていく必要のある仕事もないと言うことで。
気まずい雰囲気。今まで一緒に居るのが空気のように当然で、隣にいないと不安になるような、そんな関係。
でも、今は違う。
一緒にいると、落ち着かない。
これって・・・・・もう、俺たちの関係も終わりってことか?
くしゃりと丸めた新聞を、俺はゴミ箱に投げる。「あ」と声をこぼして、そのゴミ箱に視線を向けるルパン。
だって、この新聞はまだルパンが読んでいないから。わかっちゃいたけど、何だか悔しくて悲しくてよくわからなくて。
ふいっと知らぬふりをして、俺はそのままルパンに背を向けた。
背中に刺さる視線が、痛い。
でも、俺は心がもっと痛いんだよルパン。
「・・・どこ行くわけ?」
「別に・・・。」
ルパンも、俺と同じようにそっけなく声をかける。また、どうせ同じこと。
俺も応える気がないことを見せれば、それで終了なんだ。そう思って。
「男のトコ?」
そのまま部屋を出ようとしたところで、もう一言ルパンからの質問。
不機嫌そうな、拗ねたような、その問い。
「・・・・・そりゃ、ダチに会いに行くのかって意味か?」
”男”だなんて言われると、まるで女が自分の男に会いに行くようじゃないか。
無視したかった言葉も、意地の悪いその問いにカチンと来て足を止めてしまう。
それでも視線は向けないけれど。
「いや・・・・、」
歯切れの悪いルパンを、そっと窺い見る。視線は空を彷徨いながら、でも明らかに不満そうな顔。
何が言いたい?
「じゃぁ何だよ。」
苛々する。
「俺の次、見つけたのかなって。」
爆発しそう。
「ふざ・・・・けんな!」
気づいたら、ルパンの胸倉を掴んで怒鳴ってた。
驚いたルパンの表情。
「次元・・・っ」
「テメェは・・・ッ!!何でそういうことを!!」
「・・・・ッだってお前、もう俺と一緒にいたくないんだろ?!」
「んなこと言ってねぇだろうが!」
「一緒にいるの、嫌なくせに!!わかるんだからなっ雰囲気で、お前の声で、その視線でっ!!」
「そりゃ気まづいからに決まってんじゃねェか・・・!!」
こんなに長く喧嘩したことなくて。お互いぎくしゃくして。でも長年連れ添った相手だから、その心はわかってて。
一緒に居づらい、ってことだけ伝わったって意味がない。
「次元は・・・・どうしたいんだよ・・・ッ・・・・・」
「何で俺から言わないといけねぇんだよ!!」
「俺から言えってのか?!」
「言わねェとわかんねぇだろうが?!」
お互いが、仲直りしたいって想ってる。でもお互いが、意地っぱりなんだ。
ぎりぎりぎりって締まる俺の腕に、ルパンが苦しそうに「ギブ・・・・っ」て言う。
「言わなきゃ絞め殺すぞ!」
「~~~~っ信じらんない!相棒に、向かって・・・・ッ言う言葉?!普通に苦しいんですけど!?」
「だったら言えよ・・・・!」
「言ったら・・・許してくれる・・・・・?」
ルパンの翳る瞳に、俺の心はギュッと締め付けられて。
まるで捨てられた動物みたいな、その悲しげな瞳は、反則で。
「・・・・・ああ。」
「・・・・ごめん。」
「ん・・・・」
「ごめんなさい。」
「・・・・うん。」
繰り返される謝罪に、自分の良心だって痛んで。
腕の力を抜くと、ルパンと正面で向かい合う形になってしまって。
むしろ、自分の手は、ルパンの服を掴んでだまま縋っているようで。
「次元・・・大好き。俺を捨てないで?」
「・・・・・ッ・・・・たりめェだろうが・・・・」
「俺のこと、嫌いになってない?」
「なるかよ!お前だって、いい加減俺に飽きてきたんじゃねェのか?!」
「飽きるわけないじゃん!こーんな可愛い子、神様に言われたって手放してやんない!!」
「////////ばっ・・・・・バカなこと言ってんじゃねぇよ!!」
「バカじゃないもん。冷たーい!やっぱり次元は俺のこと・・・・」
「好きだっつってんだろうが!」
ハッと気づいたら、普段言ってやったこともないセリフが口から出てて。
にやにやと笑うルパンが、憎たらしいったらなくって。
真っ赤になる俺を、ルパンがぎゅって抱きしめてくる。
「好き・・・・うん、好きだよ次元。ホント、ごめんね。」
「・・・・・・っ。俺も・・・・悪かった・・・。」
「ね、仲直りのキスしようか?」
「・・・・ん。」
ふわりと触れるその感覚が、心も体も熱くさせて。
泣きたい程に、幸せだと思って。
見えない壁は、いつの間にか消えてなくなっていた。
Fin。
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す、すみませ・・・・っ!!;;
ちるちる様のお誕生日のお祝いに捧げます!!って遅すぎる祝いですみませんーーっ・゜゜・(/□\*)・゜゜・
リクは、「お互い静かすぎる喧嘩/もしくは、お互い仲直りするタイミングを掴めない喧嘩」とのことだったのですが!!!
こ、こんなのですみませんッでもぎゅぎゅぎゅっと愛はつまってますので!!(((((( ;゚Д゚)))))滝汗
これからも応援しております!!読んでくださってありがとうございましたーーっ!!!^^/////
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