=兎さん編~風邪~=
今日は大分前から計画を練っていた仕事結構日。
俺は仕事に向けて気分が高揚していたし、次元の体調だなんて見向きもしていなかった。
結局仕事中に、普段は俺でさえ感服する程の奴の銃の腕が鈍っていることにやっと気付いたんだ。
よく見れば、まだ仕事が始まったばかりだと言うのに、すでに呼吸が荒くて。
壁に手をついて身体を支えないといけないくらい、ぐったりと憔悴しきった様子が目に入る。
「おい、次元・・・・。お前、体調が悪いのか?」
なんで仕事中に・・・・そう思われたのかもしれない。気づかなかった自分への怒りも含めて、口調がきつくなってしまった自覚はあるが、そう声をかけた瞬間に次元の肩がびくりと揺れた。
「う、ううん・・・・悪く、ない・・・・。」
虚ろな目をしているくせに。顔色も悪いくせに。掠れた声で、俺にそう嘘をつく兎に腹の中で苛立ちを感じた。
きついなら、ちゃんと言えば良いのに。何で嘘をつくんだよ・・・。へらりと笑うその表情だって、俺を怒らせないためにしてんのか?バカ野郎・・・。
「・・・・・チっ・・・・・・帰るぞ。」
「え、ルパン・・・・なんで・・・・っ・・・」
「うるさい。気が削がれたんだよ。」
「で、でも・・・計画が・・・・・ッ」
もちろん、予告状もだしてるし、綿密に練った計画を遂行できるのは今日だけだったんだ。
でもそんな気にもなれないことは確かで、無言でアジトへと歩を進めた。
「るぱん・・・・ッ・・・・るぱ・・・・」
「うるさい。」
熱もあるのだろう次元が、更に瞳を潤ませて俺に縋るように追いかけてくる。
でも急ぎ足の俺に対して、次元はふらつくように歩くのがやっとのようでどんどん差は離れていた。
どさっ・・・・
「・・・・・次元?」
背後から聞こえる音に、ハッとして振り返るとそこにはぐったりと倒れた次元がいて。
慌てて駆け寄って、抱き起こすと朦朧とした様子で「ごめんなさい・・・」と唇を必死に動かしていた。
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す次元が痛々しくて、自分の不甲斐なさや優しくなれないこの性格が恨めしくて、俺は意識の途切れた次元を抱きしめてそのままアジトへと連れ帰った。
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「んっ・・・・」
アジトのベッドに寝かせて、粗い呼吸を繰り返す次元の額に冷たく冷やしたタオルを置いてやる。それに気付いたのか、次元は小さく唸って唇を震わせた。
「次元・・・・大丈夫か?」
「・・・・る、ぱ・・・・」
ゆっくりと開かれる瞳に、どきりと心臓が跳ねる。
熱に侵された次元は頬を紅潮させ、瞳は水がはったかのように潤んでいた。
身体はじっとりと汗をかき、声は掠れて吐息は熱を帯びていて。
そんな情事を想わせる姿に、頭をひとつ振って自分を落ちつける。
「・・・・悪かったな・・・・気づいてやれなくて。」
「え・・・?」
「体調、悪かったんだろ?」
普段は言わないセリフも、どうしてかすんなりと口について。
自分がもし優しければ、次元はこんなになるまで黙ってはいなかっただろうし、もっと早くに気づいてやれたかもしれない。
そう思うだけで、心がつきりと痛んでどうしようもなかった。
だから・・・せめて今だけでも、甘やかせてやりたいと心に決める。
「・・・・ルパン・・・・どうしたの?その・・・なんか・・・優しい・・・」
「ばか・・・どうもしねェよ・・・。」
心配してるのだと、そう思われるのは照れくさくて純粋な視線を向けてくる兎にそう告げる
その様子に、ふわりとほほ笑みながら、次元は「俺は大丈夫だよ?」と言った。
まだ熱も高く、ぐったりとしたまま。
ルパンに心配させまいとそう健気なことを言う次元に、また想いは更に募って。
頭をくしゃりと撫でて、額にキスを落とす。
「こんなに熱があるくせに、強がるんじゃねぇ。」
「・・・・んっ・・・・////ごめんなさい・・・・」
「謝るな、別にお前は悪くねぇさ。何か食べたい物、あるか?」
「ううん・・・/////」
うるうると瞳を潤ませたまま、次元は照れたようにふにゃりとほほ笑んだ。
「いっぱい汗かいてんだ、口にしとかねェと脱水になっちまう。」
「ん・・・・なら・・・・何か飲みたい・・・」
咎めるように言うと、次元は思案してそう言った。確かに喉はからからに乾いているだろう。
きつそうな身体を起こしてやる気にもなれず、コップの水を口に含みそのまま次元へと口付けた。
「ん・・・・ぅ・・・//////」
こくり、
次元の喉が上下するのを確認して、唇を離す。
「うまいか?」
「・・・・う、ん・・・・ッ/////」
更に真っ赤な顔をした次元の髪をさらりと撫でて、まだ飲めるか問いかける。
「・・・・ん、欲しい・・・・」
「ああ、いくらでもやるよ・・・。」
「・・・・・んッ・・・・」
こくり、こくりと水を飲む喉は汗で光って扇情的で。
口を離した唇も、水に潤ってつやつやと綺麗で。
うっとりと薄く開かれた瞳は、情事を思わせて十分に自分を煽ってくれる。
(さすがに今手を出す程・・・ひどくはねぇけど・・・)
心地のイイ唇は、自分の方が離れがたい程だった。
でも大切なこの兎を今日は泣かせたくなくて、燻ぶる熱も必死に抑え込む。
「いっぱい飲んだな・・・」
「うん・・・ありがと、ルパン・・・・//////」
看病にかっこつけて、結局は次元に触れていたかっただけかもしれない。
コップ1杯の水はあっと言う間になくなって、口付ける理由もなくなって。
まだ足りないと枯渇する心は、次元の潤っただろう身体とはまた正反対。
くしゃり、と再び頭を撫でて、ゆっくりと立ち上がる。
これ以上、こんな艶かしい次元を見ていたら衝動を抑えられる自信もなかった。
きゅっ・・・・
「ん・・・・?」
「るぱ・・・・ん。」
立ちあがろうとした瞬間、下に引っ張られる小さな感覚に身を留まらせる。
おずおずと引かれた服は、申し訳なさそうに掴まれた指先によって軽く皺がでてきいて。
「どうした・・・次元?足りないのか?」
「・・・・・・うん・・・・」
「もうコップ1杯飲みきったからな・・・無理すんなよ。」
「・・・・・ううん・・・・・」
「・・・・次元?」
「足りな・・・い・・・・・」
戸惑いがちに告げられる言葉。
一体何を言っているのか・・・そう思って、潤んだ瞳を覗き込む。
その目の奥に燻ぶる熱は、風邪から?それとも・・・。
「はっきり言ってみな?」
ただ自分が良いようにとっているだけかもしれない。
そういう気持ちもこめて、もう一度次元の前に腰かけて頬に優しく手をかける。
震える指先が、俺の手と重なってひどく熱い。
「・・・・ッ・・・・足りない・・・・の・・・。」
「・・・水が?」
ふるりと首がふられて。
「ルパンが・・・・・ッ・・・//////」
「この・・・バカっ・・・!」
俺が欲しいと言ったその唇を、すぐに塞いで舌を差し込む。
熱くて熱くてたまらない口内で、一生懸命応えてくる舌を俺は味わうように絡みとる。
次元を心配して我慢していたというのに、そんな気持ちなどお構いなしに俺を煽ってくれるのだからたまらない。
「んっ・・ふ、ふぁ・・・・ッ・・・・・・はぅ・・・・ま、っ・・//////」
ただでさえ熱い吐息が、艶かしく湿った音を立てて次元の口から漏れる。
次元の両手を布団に押さえつけて、俺は欲しくて欲しくてたまらなかったその熱を好きなだけ貪ることに夢中で。
力の入らない手で、次元が俺の手を離そうともがきだしてやっと俺は現実に引き戻された。
「んっ・・・ぷはぁっ・・・ぁっ、はっ・・・・はぁ・・・・・ッ/////」
「・・・・ッ、悪ぃ・・・・」
夢中になりすぎて、次元がキスの間に息継ぎができないことを忘れていた。
鼻で息をしろ、と何度言っても出来ない不器用な兎が、それでも愛しくて愛しくて。
「は、はぁ・・・・は・・・ッ・・・ぁ・・・・/////」
真っ赤な顔をして、酸素を求める口からちらちらと見える赤く濡れた舌がまた扇情的すぎる。
生理的に息苦しくて流れる涙とか、真っ赤な頬とか。
・・・・まだまだ、欲しくて欲しくてたまらない・・・・・
ガンっ
?!
また吸い寄せられるように唇を寄せようとして、次元に頭突きで止められた。
「・・・いって・・・・テメ、何すんだよ!」
「ま、待ってって・・言ってるのに・・・ッ!!/////」
「言ってねぇだろ!!」
「言わせてくれないんでしょっ!!/////」
涙目でむーっとむくれる兎に、調子を狂わされる。
自分だって欲しいって言ったじゃねェか・・・・。
「何だよ・・・足りないとか言っといて・・・・」
「・・・あれ・・・・ルパン・・・?」
「何だよ!」
やっぱりいつものように俺を嫌がる兎に、どこかで心がしくしくと痛んで。
別に・・・寂しいとかじゃないけど・・・。たまに求められて嬉しかったとかじゃ・・・ねぇけど・・・。
「拗ねちゃったのか?」
「~~~~~~~~~~っ?!///////」
きゅるん、とした瞳で核心を突かれて、俺は頭から火が出そうになった。
「ちっちっ・・違ェよ!!なんで俺がお前にもっと求められたいとか思わなきゃいけないんだよっ!!////」
「求められたいの?」
「だーーーーっ!!!!//////」
悶絶!しそうになる恥ずかしい自分に、次元の掴んでいた手を離してこの場から逃げたくなった。
でも自由になった次元の手は、いつの間にか俺の首に回っていて。
そのまま、ぎゅっと引き寄せられる。
「・・・・ッ・・・次元!?//////」
「ルパン・・・好き・・・・あのね、欲しいのはホントだよ?」
「だから・・・そんなこと言ってっと、我慢効かねぇぞ・・・?」
「ん、良い・・・」
ちゅっ、と再び唇を触れさせてそのままもう一度深く合わせる。
「ふっ・・・ふぅ・・・・ッ・・・・・ん/////」
「はっ・・・次元・・・」
ちゅくちゅくと湿った音が響いて、次元の息遣いを感じて身体が熱を上げる。
次元の口内を好きに貪りながらも、今度は次元の様子を見て少し唇を離す。
「ふはっ・・・ハッ・・・ぁ・・・・////」
「ん・・・・」
次元が呼吸をしたのを確認して、また唇を寄せて。
何度も何度も、唾液が混じり合って、もうどっちの方が熱いのかどうかすらわからない程に重ね合わせる。
「んぁっ・・・ッ・・・ふ、う・・ン・・・・ッ/////」
歯列も、上顎も、ざらつく舌も。あますことなく舐めあげて、次元を感じて。
うるうると潤む瞳は、吸い込まれそうな程に綺麗。
赤く染まる頬も、困ったように下った眉も、俺の首を抱きしめて離れない両腕も。
全部が愛しくてたまらなくて、もう溶けあってひとつになりたいとさえ思う。
「次元・・・・愛してる・・・」
「ッ・・・る、ぱ・・・/////」
いつも言いたくても、言えなくて。それでも、そんな情けない俺でも次元は愛してくれてる。
きっと、熱に浮かされた今だけかもしれない。また、コイツにひどいことをしてしまうかもしれない。
だから今だけでも、たくさん愛を伝えさせて欲しい。
「ルパン・・・おねが・・・い・・・もっと・・・・ッ////」
戸惑いがちにねだる次元が、何を求めているのかわかって。
「ああ、次元・・・お前だけ。誰よりも、愛してる・・・。」
「ルパン・・・ッ/////」
抱きしめ合って、それだけじゃ足りなくて。
お互いが、先急ぐように服を脱がせて。
キスだけでとろとろに溶けた次元自身に、指を這わせてゆっくりと撫であげてやる。
「んっ・・・ぁ、あ・・・るぱ・・・・ぁ//////」
「もう、先走りが後ろまで流れてるな?ココも、ひくひくしてる・・・・」
「ふ・・・や、ぁ・・・・・ッ・・・!/////」
自分から足を広げて俺を誘う兎が淫らで。
先走りを指に絡めて、ちゅくりと秘部に指を1本入れる。それだけできゅぅと俺を締め付けてくる孔の周りを、ゆっくりとほぐすように撫でまわす。
「ッ、ふ、ぅう・・・・ンっあ・・・・ぁ・・・・ひぁ・・ルパン・・・るぱ・・・//////」
何か言いたげな次元の口から、ちゃんとその言葉を聞きたくて。
どうした?と問いかけるとぎゅっと目をつぶって、「指じゃ足りない・・・」と囁く姿はいやらしくて、でも可愛くてずくずくと下腹部に熱を覚える。
「指じゃなくて・・・何が欲しい?」
「・・・・ッ・・・・ルパン・・・・・・・・/////」
少し咎めるような視線を向けられるが、今日の俺がただ意地悪してるわけではなくて・・・次元の言葉を聞きたいのだと本気で想っていることが伝わったみたいで。
羞恥に堪えるようにきゅっ唇を噛み締めて、長い耳をぺたりと寝かせて。
決心したように、上目遣いで俺を求める。
「ルパンが欲しい・・・・ルパンの・・・熱い・・・のが・・・ッ/////」
「熱い、何・・・?」
「ん、・・・・ちんこ・・・//////」
戸惑いがちに告げられたセリフを耳に捕えて、俺はそのまま次元の中へ猛りを突き挿れた。
十分な大きさに膨れた欲望は、次元の身体を割くようにしてぐぷぐぷと音を立てて飲みこまれていく。
「ひゃぁ!ッは、やぁぁぁんっ・・・・・ぁッあ、あぁるぱッ/////」
「くっ・・・・」
びくびくと跳ねる身体を押さえつけて、奥まで侵入させて熱を感じて。
快楽に堪え切れずぎゅっと閉じられた瞼に、誘われるようにひとつキスを贈る。
「ふ、ぁ・・・ぁッ、るぱ・・・?」
「目、開けな・・・・ちゃんと、俺を感じてくれ・・・。」
ゆるりと開かれる瞳に自分を映して、懇願するようにそう告げると、きゅっと秘部が締まる。
根元まで埋め込んだ自身は、次元の熱い内部に溶かされてしまいそうだった。
「ルパンの・・・すごく熱いっ・・・・・/////」
「ばか、お前が熱いんだよ・・・熱があるから・・・・。」
「んっ・・・・・ルパ・・・ッ・・・動いて・・・?/////」
次元のナカが馴染むまで待ってやろうと思っていたのに、また俺を煽る。
天然なのか計算なのか、これがコイツの恐ろしいところだと思うが。
心地よすぎる中にきゅうきゅうと締め付けられては、俺自身もたまらず我慢も限界だった。
「ぁッ・・・・あんっは、アぁ、あぅっ・・・ふや・・・・ッ////////」
絡みつく内部に誘われるまま、腰を動かすと甘い次元の嬌声が鼓膜を揺らす。
ぐちゅぐちゅと結合部が鳴らす水音は、うるさい程に高鳴る自分の心音すらかき消して。
「っ・・・・く、イイか?次元・・・・・」
「あっ、あっ、イイ・・・・ッ・・・・るぱん・・・・気持ち、ぃい・・・ぁッあん///////」
「俺も・・・お前に溶かされちまいそうだ・・・・・ッ・・・・・・・」
「るぱっ・・・あっあ・・・・・一緒に・・・・ッ・・・イキ・・・・・たいっ・・・・!!//////」
お互いに高ぶった熱はもう十分な程で、次元の甘い言葉を聞いて、強く抱きしめ合った。
角度が変わって次元のイイ所に当たるようになった肉棒を、擦りつけるように深く差し込む。
「ひゃぁっ!?ぁっ!!!あぁっ・・・・ッやああああん・・・・・!!!!!///////」
「んんっ・・・」
勢いよく白濁を散らす次元のきつい締め付けに、何度か腰を揺らしてナカへ精を吐き出す。
射精後の脱力感に見舞われながらも、はぁはぁと荒い息を繰り返す次元が少し心配になる。
「ッ・・・・・大丈夫・・・か?」
「ふ・・・・ェ・・・・?」
真っ赤な顔で、身体も火照ったように熱くて。無茶をさせたせいできっと熱も上がった事だろう。
優しく髪を撫でながら、悪かったな、と一人呟いて自身を抜こうとした瞬間。
「・・・・んッ・・・いつも自分勝手で俺様で酷くて無茶苦茶なルパンが、たまに優しいとなんか変な感じ・・・・」
とかはにかみながら言うものだから、ぶちりと血管の切れた俺がこのバカ兎が気絶するまで犯してしまったことは、まぁ仕方がないと思わねぇか?
Fin
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珍しく甘い1stな二人を!と、思ったのですけど・・・まぁ私の性格上そう簡単にラブラブさせてたまるか!!とね(。・ x ・。)ノチャオ♪笑
読んでくださってありがとうございました!!!少しでも楽しんでいただけていたら幸いですっ///////
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