「るぱーんっ・・・!」
「・・・・何だ。」
「指痛いよーーっ><。」
泣きながらルパンに縋るのは、兎の耳がひょっこりと生え小さな尻尾をふるりと震わす次元。
面倒そうに差し出される指を見たルパンは、わんわんと泣きながら騒ぐ次元の頭をばしりと叩く。
「いたっ・・・るぱん・・・・?」
「お前、また俺様の部屋に入ったな?」
「ぎくっ・・・・」
「このバカ兎!!」
指先に刺さっていたのは、ルパンが次の仕事に含み針としてでも使おうかと思案していた小さな針で。
こっそりとルパンの部屋に侵入しては、余計なことばかりをする次元に何度怒鳴っても理解しないことに深いため息をつく。ルパンの部屋には仕事用の物品が散乱しており、中には危険な物も多い。散らかすから、と次元には言いきかせているが、内心では危険だからと心配しているのを全くわかってくれない。
「ごっごめんなさいルパン・・・・っ~~~」
びくびくと怯えながら謝る兎に、手を出せ、と言って針を抜いてやる。
針が抜けてしまえばそれは小さな傷で、ぺろりと舐めて消毒。
「大体、何で俺に一々言ってくるんだよ!自分でこれくらい何とかしろっ!!」
「う・・・・だって・・・」
「だってじゃない!!」
「ごめんなさい・・・・・ルパン、ありがと・・・」
しゅん、と項垂れながらもルパンにお礼を言ってとぼとぼと次元はその場を去った。
心の中で、少し言いすぎたか?と心配する気持ちもあったが、ルパン自身怒りもあってそのまま追いかけることはせず。
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そんないつも通りの騒ぎがあってから数日後。
ルパン達は大きな仕事を終わらせ、アジトに戻っていた。
「ほら、見ろよ次元!このルビーの輝き!!俺様にかかればこんな物盗むのは簡単だなっ!!」
仕事が無事に終わり、ルパンは楽しそうに笑う。
それを見て、次元も「うん、良かったな。」とにこにことルパンを見つめていた。
次元自身、ルパンが楽しそうにしているのが一番嬉しいことで宝物よりもルパンをそっと眺めて幸せを感じていた。
「おい、次元!こっちきて良く見ろって。」
「え?うん・・・・」
「・・・・何だ、見たくねぇのか?」
満足気に宝石を見ていたルパンは、上機嫌で次元に近づくよう促す。
今回は次元も計画通り活躍し、褒めてやろうとも考えていた。
それなのに、次元の返事は曖昧で、それに加えていつもの元気もなく。
「そ、そんなことないけど・・・・俺、疲れたから寝て良い?」
仕事の成果を褒めて褒めてと騒ぎたてるいつもの次元ではなく、ルパンは眉をぴくりと動かし怪訝そうに次元を見る。
「待てよ。ちょっとこっち来い、次元。」
「え・・・・何で?俺、もう・・・」
「来いって言ってんだよ。」
支配者の表情をするルパンは、先程までの笑みはなく威圧的に次元へ命令をくだす。
逆らえない次元は、ゆっくりとルパンに近づくが、ルパンと視線を合わせない。
「・・・・・何、隠してやがる?」
「何も・・・」
「嘘つけ。」
次元が無意識に触れている部分・・・・右肩にちらりとルパンは視線を向けると「脱げ」と短く告げる。
「え?」
「肩、見せろ。」
「・・・・やだ・・・・」
「次元。」
言うことを聞かない次元にしびれを切らし、ルパンは次元の腕を掴みあげる。
「・・・っい、たぁ・・・・!」
その動作だけで次元の表情は苦痛にゆがみ、明らかに尋常ではない様子がわかる。
ルパンは無言で次元のシャツを脱がせ、隠していた肩を露わにした。
「や、やめ・・・・っルパン・・・・」
「・・・・・ッ・・・・・てめぇ・・・これは何だ?」
その肩にはガーゼと包帯がぐるぐるに巻かれており、シャツで隠れていたが鮮血が滲んでいた。
どんどん機嫌の悪くなるルパンに、次元はびくびくと明らかに怯え、痛みからか恐怖からか顔色はどんどん悪くなっていた。
「・・・・何も・・・・ない・・・・」
「これで、か?」
「ーーーっ!!!!」
なおも隠そうとする次元に苛立ちが隠せず、ルパンは地を這うような声を出しながら、その傷を指で押さえつけた。
痛みで声すら出ない次元はぽろぽろと涙を流し、必死でルパンから逃れうようと身体を引くが、それが許されるはずもなく。
ルパンにがっちりと掴まれた腕は、暴れてもびくともしなかった。
「る・・・ぱん・・・・ごめんなさいっ・・・」
「何で謝るんだよ!」
「だって・・・ルパン怒ってる・・・・・」
泣きながら謝る次元に、ルパンはいらいらと自分にもわからない程の怒りが身体を巡るのを感じていた。
ー自分の計画は完璧だったのに、次元が結局失敗してたから?
ー言うことをきかずに、次元が逃げようとしてるから?
ーご主人様である自分に、次元が怪我を隠そうとしたから?
ー怪我をしたら、次の仕事に支障があるから?
・・・・・・
違う。
「怒ってねぇよ・・・・。」
「・・・・ひくっ・・・・ごめ・・・・なさ・・・・ッ・・・・・ひぅ・・・・」
「泣くな、次元・・・・」
「ふ・・・・ぅ・・・・ふぇ・・・・・ッ・・・・」
「悪い・・・ッ・・・・」
「え?」
怪我に触れないように、ルパンはそっと次元を抱きしめた。
驚く次元の温もりを感じ、ルパンはゆっくりと心が穏やかになってくるのを感じた。
「お前に怒ってたんじゃねぇ・・・俺が・・・俺がお前を守れなかったから・・・気づいてやれなかったから・・・・ッ」
「・・・るぱ・・・・?」
「ごめんな、次元・・・・大丈夫か?痛くねぇか?」
頭をそっと撫でながら、ルパンは次元の身体を優しく抱きあげる。
「治療、しよう・・・・」
「る、ルパン?!・・・歩けるから・・・・!」
珍しい程の甘い言葉と優しい触れ合いに、次元は頬を赤に染める。
「ダメだ。離さねぇよ。」
「何で?もう逃げないから・・・・っ」
「・・・・この程度の怪我で良かったけどな・・・もしこれがもっと酷かったら?お前が・・・もし・・・・っ」
「・・・ルパン?」
呟くようにそう言いながら、ルパンはツラそうな表情を見せた。
ーもし、次元が俺の前からいなくなるようなことになっていたらー
ルパンは胸の中で不安と焦燥を感じ、ただ次元に触れていたいと思う。初めは慌てたように暴れていた次元であったが、今ではそっとルパンの腕の中で静かにおさまっていた。
「俺の知らないところで怪我をするな、次元・・・・」
「・・・・うん、」
「ちょっとでも怪我をしたら、ちゃんと見せろよ。」
「でもルパン、いちいち言うなってこの前・・・」
「・・・・わからねぇ奴だな・・・・ッ!」
「ご、ごめんなさいっ・・・・!!!;;」
ルパンの気持ちを少しも理解しない兎に、これからも振り回されるのだろうと思いながら、深いため息をつく。
それでも、どれだけ迷惑をかけられようと、この温もりを離したくないとルパンは心で誓うのだった。
Fin
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もちろん、言ってはやりませんけど(真顔)←素直じゃないのは大好きです!きりっ
普段は酷くても、ちゃんと愛してるのですよーーーっ!!!ね☆(●´∀`)つ≡≡≡愛愛愛)Д`)グシャ←楽しそう
最近は狼さんとわんこさんばっかりでしたが、兎さんも勿論可愛がってます!!そして、見たいと言っていただけたので調子に乗ってさっそく←行動が早い
ただ、小さなことでは騒ぐ次元さんも、大きな怪我とかは絶対隠す!!そしてばれて怒られる!!と一人悶絶したので書いてみたかったのですvvというか書きたいネタはいっぱいありますううううあああル次足りないっつ!!!!\(゜ロ\)(/ロ゜)/
こんなのですみません!少しでも楽しんでいただけたら嬉しいなっと思います(〃゚∇゚〃) vv
いただけるお言葉は何よりも嬉しいので、踊らされるように私いつでもどこでもすぐにでも書いちゃうのですけどねーーっ(ノ´д`ノ。・ゎーぃ・。\´д`\) vvvでもそれが幸せvv
読んでくださってありがとうございました!!
明日は待ちに待ったお楽しみの日です!(〃゚∇゚〃) えへ
ちょろりと更新できないですけど、帰ったらまた頑張りますねーーっ(ノ´д`ノ。・ゎーぃ・。\´д`\) vvではでは
あわわっあとぱちぱち&コメントありがとうございますっ帰ってきたら愛を持ってお返事しますねっはいもうそりゃもう俄然やる気を出して頑張りますーーっ(`・д・´)vvvv
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