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=好きだけど、=
ばしっ・・・・・!
アジト内に響く乾いた音。
音を認知して、痛みが頬を走って、
それからやっと、
ルパンに叩かれたと言う 事実 を自覚する。
「・・・・っ、ルパン・・・・何・・・・・を・・・・、」
ずきずきと痛む頬をおさえて、ルパンの眼に視線を移す。
ルパンを瞳に映して、から、そうしなければ良かったと後悔した。
ひやり
冷たい眼差しに、心まで凍るような寒気が伝わる。
それは、愛しさとか優しさとか、そんなもの微塵も存在してない、真っ黒なもの。
何で?どうして?突然の出来事に脳が付いていかず、唇は言葉をうまく紡げない。
「ね、次元。」
にこり、ほほ笑む口元に騙されない。目は、笑ってない。
「どうしたのそんな顔して・・・・、」
怖いものでも見た?
今しがた起こったばかりのことすらも、何もなかったかのように嗤う。
自分を叩いたその手で、優しく赤みを帯びた頬をなでる。
これは何?
愛しい悪魔。
「ねぇ、次元・・・・、」
どうして。
どうして。
「泣くな、よ・・・・・・ルパン。」
「・・・・・・。」
冷たい瞳から流れる滴に、悪魔はきっと気づいてない。
「何でかな?」
好きなのに。
「すごく、憎いんだよね。」
愛してるくせに。
「ひどく、したくなるんだ。」
狂ってる。
「ね、次元ちゃん・・・・。」
でも、そんなお前でも愛しいと想う俺が、一番狂ってるんだ。
「ルパン、お前さんになら、殺されてもかまわねぇさ・・・。」